湘南 茅ヶ崎の社交ダンス教室 スズキダンスパーク湘南
#001. 私がレッスンで英語を使用する理由
私はレッスンの際、意識して英語を使用することがあります。
と言っても難しいことではなく、例えば「1,2,3,4」とカウントする際には「イチ、ニ、サン、シ」ではなく「one,two,three,four」。
また、「あしを伸ばして」ではなく「legを伸ばして」と言ったりもします。
別にかっこつけているわけでも西洋かぶれしているわけでもなく、ちゃんと意味があってのことです。
サンバの代表的なリズムに、「1a2」というタイミングがあります。
サンバの音楽は2/4拍子なので1小節は「1,2」と2拍なのですが、その中で「1a2」と3歩のステップをふむわけです。
専門的な話になりますが、ダンスでは「1a2」の長さはそれぞれ、「3/4, 1/4, 1」。
(ちなみに「1&2」のタイミングだと、「1/2, 1/2, 1」になります)
ここで問題になるのがこの「1a2」をどう発音するか。
これは「one, a, two」であって決して「イチ、と、ニ」ではありません。
「イチ、と、ニ」と発音すると「1&2」のリズムになってしまいます。
「1a」と「1&」というのは、言い方が違うだけでなく全く違うリズムなのです。
日本語ではこの「a」に相当する言葉がありません(「イチ、あ、ニ」なんて言いませんよね)。
なので、この「1a2」というリズムは必ず「one,a,two」と発声しなければいけませんが、
一生懸命「イチ、と、ニ! イチ、と、ニ!」と言いながらサンバを踊っている方が多いのが現状です。
それでは、「あし」ではなく「leg」と言うのはなぜか。
「あし」と言うと身体のどこの部位をイメージしますか。太もも?ふくらはぎ?それとも足首から下?
日本語の「あし」には、主に「足」と「脚」の二つの字が使用されます。
が、普段あまり意識して使い分けることはないのではないでしょうか。
日本語の「あし」は下半身大体をあいまいに表現できる便利な言葉です。
英語では、
leg ・・・ 脚(hipからankleまで)、foot ・・・ 足(くるぶしから下) ※プログレッシブ英和中辞典より
簡単に言うと足首までがleg、足首から下がfootになります。
例えば、ルンバのウォークにおいて、
「legを丁寧に使いましょう」と「footを丁寧に使いましょう」と指摘された場合、直すポイントは全く異なります。
前者でしたらヒザの通り道が良くなかったのかもしれないし、後者では本来つま先から着地するところを踵から着いてしまったのかもしれません。
これを「あしを丁寧に使いましょう」と言ってしまうと、どこを直したらいいのかが曖昧になります。
「脚部」なんて言葉、普段あまり使いませんからね。
英語にはあって日本語にはない言葉・表現はたくさんあります(もちろん逆もまた然り)。
よく使われているダンス用語でも、promenade(プロムナード)やcheck(チェック)などは、単語の意味が分かると動きをイメージしやすくなります。
少し英語を意識してみるだけで、あなたのダンスも変わってくるかもしれませんよ。
文責 鈴木太一